2024年夏の京都府の最高気温は39.4℃。
25℃を超えると「夏日」、30℃を超えると「真夏日」。35℃を超えると「猛暑日」と呼ばれますよね。
京都市は猛暑日が観測史上最多の51日、熱帯夜(最低気温が25℃以上)も56日と、猛暑日と熱帯夜の両方が50日を超えた国内初の地点になったそうです。
道理で!本当に本当に暑いと思いました!
そんな中、外で作業をしてくれている職人さんには頭が上がりません。
改めて職人さんたちへの感謝を心に抱きつつ、そんな猛暑日に見学会を開催したとあるヤマネコハウスでの気温測定結果をまとめました。
先に結論をお伝えすると、しっかり快適でした。
▶ 2024年8月2日 最高気温38.7℃ / 最低気温27.0℃
見学会前日、この日はスタッフ全員で見学会の準備をしました。
掃除機をかけたりホコリを取ったりサッシを拭いたりと、細かいところを掃除していきます。
当然これまでにエアコンは稼働していないので、連日の猛暑により躯体(くたい:建物の構造体のこと)自体が暖められてしまっていて室内もかなりの暑さです。
朝の9時に入室、3か所のエアコンを全て18℃で稼働させました。
下のグラフが8月2日 18:00までの気温の推移です。
室内はどの部屋も34℃。外よりも暑い状態です。
3台のエアコンを次の日の見学会に備えて一晩フル稼働させたままにしました。
夜間(0:00~8:00)までの推移がこちら。
エアコンの風量も最大にし、リビングからダイニングキッチンへサーキュレータで風を送り込みました。
部屋(と温度計を置いていた位置)によって気温差はありますが、夜間を通して室内の気温はほとんど変わりませんでした。
▶ 2024年8月3日 最高気温38.4℃ / 最低気温28.2℃
見学会初日です。
朝9:00に現地着、玄関を開けたところ、ちょっと寒いくらいに室内は冷えていました。
見学会まではカーテンレールがないので、日の光は遮られずに室内にさんさんと降り注いでいます。
さすがに寒いね、ということで設定温度は26℃に変更。
設定温度を変えたので室内温度は各部屋とも緩やかに上がっています。
外は午後3時にこの日の国内最高気温の38℃に達しましたが、室内は躯体が冷えたようで、急激な上がり方はしていません。
ちなみに…
ほぼ同じ時刻に、ウッドデッキの直射日光が当たるところに温度計を置いてみた時の数字がこちら。
なんと44℃!ちょっと信じられない数字です…。
受付は外なので、こまめに室内で涼んで、外に出て…とサウナのようなことをしていました。
室内は25℃程度だったので、約20℃も差があったことになります。
16:00に撤収しましたが、さすがに室内がだいぶ冷えていたので、寝室の1台のみ24℃で稼働させることにしました。
冷気は下に落ちていくので、2階寝室からあふれた冷気が吹き抜けや階段から降りて行き、1階リビングのサーキュレータで動いていくイメージです。
16:00~日付が変わるまで、依然として外気温は30度以上ありますが、
室内はどの部屋も安定して24℃~26℃程度を保っています。
▶ 2024年8月4日 最高気温33.9℃ / 最低気温28.8℃(正午まで)
この日は朝から雲が多く、夕方から雨の予報でした。
そのため前日のような急激な気温の上昇はなかったものの、それでも朝8:00の時点で30℃は超えています。
9:00に現地着。26℃前後と快適な室内温度になっています。
最終日ということもあり、寝室のエアコンのみを稼働させた状態で12:00まで過ごしました。
開け閉めが多かった玄関も含め、日の出からの室内温度は1.5℃程度の上昇と、それほど変わりませんでした。
外気の温度変化に比べると変化がわからないくらいの差になっています。
12:00に見学会は終了。
片付けのためすべての温度計を玄関先に出していたところ、41.5℃となっていました。
というわけで、ヤマネコハウスの機能性を検証してみました。
真夏に(旅行などで)無人の日が続き、躯体自体が暖められてしまうと室内も当然暑くなってしまいますが、一度躯体が冷えれば高い断熱性と気密性で快適な気温に保つことができました。
家事動線や暮らしのスタイルももちろんですが、設計時には空気の循環も考えながら間取りのご提案をしています。
エアコンの場所と吹き抜けや階段の位置、サーキュレータを置いて空気を動かして…と、色々な角度から最適なご提案ができるように、建築士が日々頭を悩ませています。
気密性と断熱性は数値で表すことができ、家の性能をとてもわかりやすく伝えられます。
リンクスでも気密測定を実施しています。ですが、とにかく高い数値を出すことを求めているわけではありません。
あまりに気密性が高いと、逆に自然な空気の入れ替えが難しくなっていきます。
断熱素材にこだわりすぎてしまうと、やりたかったデザインや機能を諦めることになるかもしれません。
数値を追求することは悪くないです。そこに価値を見出す理由もとてもわかります。
ですが、リンクスの家づくりでは、
快適に暮らせる一定レベルの性能があれば充分、だと考えています。
数字の上に住むのではなく、五感全てで感じる総合的な快適さが大事。
そんな家を作りたいと思っています。