よしなしごと ~建築と〇〇~

よしなしごと ~建築と〇〇~

建築の話ではなくて大変に恐縮な出だしなのですが、
みなさん映画「教皇選挙」はご覧になりました?
あまり多くを語ってしまうとネタバレになってしまいますので内容への言及は控えるのですが、
アフガニスタンから来られたという、ベニテス枢機卿(すうききょう)さん。
初めての教皇選挙への参加で、他の方がごちゃごちゃと悩んでいる中、彼だけがひとり静かに世界にとっての最良を考えている、という役どころの方です。
メキシコ出身のカルロス・ディエスさんという方が演じておられるのですが、

ん…? 
なんか、ちょっと…見たことある顔…
なんかどこかで…

あっ 社長だ。

映画『教皇選挙』公式サイト(ページの真ん中あたりに相関図があります)

社長

社長がメキシコの方だったらこんな感じかも…と思いながら映画を見ました。
本人にも見てもらったところ、「うわ!似てるー!わかるー!」とのこと。
社長をご存じの方、ぜひ教皇選挙をご覧いただけると嬉しいです。
(宣伝みたいになってしまいました。「似てますよね!?」って言いたいだけです。)

演技もとても素敵だったので他の作品もないのかなと調べたところ、
なんと前職は建築家(!)で、演じることは3年ほど前に始めたばかりだとか。
さらにさらに、社長とは1歳違い(日本だったら学年は一緒)だったりと、
まるでパラレルワールドの社長の経歴を見ているようでした。

で、ここから余談のような本題なんですが、建築に携わっている方で、
そういった「形のない芸術」を嗜む(という表現で合っているのかわかりませんが)方が
ちょこちょこいらっしゃるように思います。
先述したカルロス・ディエスさんも30年以上建築家として働いて、そこから演技の道へ進むことにされたそう。
有名な方ではヤニス・クセナキスさんでしょうか。たまたま見ていた番組で紹介されていて初めて知ったのですが、この方も建築家であり音楽家でした。
社長もずっと趣味でギターを弾いたり、ご友人とバンドを組んだりされているそうです。

建物という長い年月に在り続けるものと、演技や音楽という刹那的なものが、
どちらも同じ人から生み出されるというのはなんだかおもしろいな、と感じます。
きっと好きだからやってる、それ以上の理由はないのかもしれないですが、
相反しているように思えるもの、どちらも内包しているというのがとても人らしいな、と。
ヤニスさんを知った番組で、バッハの音楽はとても数学的、という話も興味深かったですし、
別の本で数学者の方がおっしゃっていた、数式の中に神さまがいるんじゃないかと思うことがある、というのもとても興味深く思っています。

カチカチに計算されたものが必ずしも固いものばかりではないし、
まるで正解なんかないようなものから「あたり」が出てくることもあるのかも。
リンクスのお家も、緻密に書かれた図面から作られる家は
「遊び心と暮らしやすさ」という、心で味わう良さのある家です。

あるもの、ないもの、見えるもの、見えないもの、
色んなものが混じって、偏って、ちらばって、
均一じゃないからこその面白さが人生の豊かさなのかな、なんて考えています。