#058
京都市北区 Y様
杉をふんだんに使ったリノベーション狭小住宅
敷地面積:61.07㎡(18.47坪)
建築面積:48.23㎡(14.58坪)
延床面積:79.06㎡(23.91坪)
1階床面積:39.25㎡(11.87坪)
2階床面積:39.81㎡(12.04坪)
ロフト床面積:11.89㎡(3.59坪)
第1種住居専用地域
歴史遺産型美観保全地区(上賀茂郷界わい景観整備地区)※新築時は日本瓦等にする必要あり
元々ご主人のご実家だったお住まい。当初の予定では一度更地にして建て替える予定でした。
ところが、建て替えてしまうと床面積が約9坪(18帖ほど)小さくなってしまうことが判明。
広さを確保するためにするためにフルリノベーションを選択した、という経緯があります。
京都市内は敷地いっぱいに建っているお家が多いですが、建て替え時にセットバックや建ぺい率の関係で今よりも小さいお家にせざるを得ない、ということがあります。
建て替えを検討しているけど広さが…と悩んでいらっしゃる方に、リノベーションという方法の参考になればうれしいです!
建物の正面(東面)は、1階部分をOSMO ダスクグレー色で仕上げた杉板張り。
2階部分はジョリパット仕上げです。こちらからは見えませんが南面と西面は金属サイディング、
お隣との隙間がほぼない状態の北面も金属サイディングのままになっています。
こちらは解体後の柱の写真。3本ほど地面から直接立っていた柱があり、シロアリに食べられてしまっていたとのこと。
中にはおよそ2mの高さまで食べられた痕跡のある柱もあったそうで、この状態で住んでいたと思うとショックですね…。
ほかの柱は防腐・防虫の処理がしてあったこともあり無事だったためそのままにしています。
ダメになってしまった柱は新しいものに交換し、間取りも水回りの位置もガラッと変更しました。
玄関はシンプソンの木製ドアをOSMOのチャコールグレーで塗装。
玄関横、インナーガレージには横長の小窓を付けています。
こちらは玄関すぐの書斎。しっとりと落ち着いたお部屋です。
1階の突き当りはファミリークローゼット、洗面、ランドリー、お風呂を集約。
散らかりがちな洗濯物はこのエリアで片付くようにしています。
タイルとレトロな照明がかわいい造作洗面。大きな鏡で朝の支度も並んでできそう。
洗面台には正面に引き出し。横にも棚があって、たくさん収納できそうです。お風呂横の洗濯機の上には乾太くん。室内物干しとして使えるアイアンバーも。
作業台にはコンセントがついていて、ここでアイロンがけもできますね。
一つの家事が一つのスペースで終わるのって理想ですよね!
以前は1階にあったLDKを2階に配置し、東向きの大きい窓から光が入り明るくなりました。
勾配天井、階段上のトップライト、リビングを見渡せるロフトによって、狭小住宅でも広く感じられます。
階段横のキッチン。まるで宙に浮いているようなカップボードは職人さんの手作りです!作るのがとても大変だったそう。
リンクスの造作家具は職人さんが一つ一つ現場で作っています。
カウンターに続くデスクはちょっとした作業やお子さんの勉強机としても。
今回のおうちは外壁や建具、キッチンなどがモノトーンで統一されていてすっきりとした印象ですが、
無垢の杉板やタイルの少し不揃いな質感などが柔らかさと温かみを感じさせてくれます。
板材はあまりデザインを邪魔せずにまとめてくれるので遊びの幅があって面白いですよね。
こちらはロフトから見た子ども室。お部屋の上部が開いているのでいつもなんとなくいる気配を感じられます。
まだお子さんは小さいので今は大きいお部屋で。将来的には間仕切りを設置してそれぞれのお部屋として使う予定です。
キッチン横のアイアン手すりの階段でロフトへ。大人はかがまないといけませんが、子どもたちには楽しい遊び場です。
造作のマガジンラックや奥行きのある収納スペースがあり、お子さんのおもちゃもガサっとしまっておけそうです。
エアコンはこのロフト上のものでLDKから1階までカバー。
サーキュレーターなどを置くと空気を循環させることでより効果的なんだそうです。
ほとんど新築といってもいいくらいの改装内容ですが、実は階段横のあらわし梁が建築当時のもの。
昔の職人さんが書いたものが残っています。30年以上ひっそりとお家を支えていた梁が表に出てきたのも面白いですよね。
フルリノベーションは解体時の柱の状態や家の傾き具合などによって工期や金額が変わってくることも。
一概に新築と比べてコスパが良いというわけではありませんが、法令上の制限など様々な理由で建て替えが難しい場合はぜひスタジオリンクスにご相談くださいませ!